よくある質問


質問
頭のいい人が成功経験(合格体験)から作り出した勉強法は、なぜ問題なのでしょうか?

回答
ホームページに書いたことの他に、次のことを補足しておきましょう。

勉強は、「理解」が大事か?「暗記」が大事か?・・・という議論がよくありますよね。

例えば、社労士の試験勉強を例に考えてみましょう。

ここに2人の社労士試験の合格者がいるとします。

1人の人は、あまり暗記が得意ではなく、法律の知識もあまり持っていませんでした。

この人は、勉強しながら沢山のことを覚えますよね。

そうすると、合格した後聞かれたら「暗記が大事です」と答えるでしょう。

それに対してもう1人は、比較的暗記は得意で、理屈を問うような問題を解くのが苦手でした。

理屈を問うような問題を苦労して克服して合格した後は、「考えること(理解)が大事です」と答えるでしょう。

同じ社労士試験の合格者でも「暗記が大事」「理解が大事」と反対のことを答えるよことになります。

もしここで優秀な指導経験者が横にいたら、この両者に何が起きているのか、何が客観的に言えることなのか説明できるでしょう。

この例でも分かるように「経験で語る」とこの2つのどちらが本当のことなのか分からなくなるのです。

誤解を生む可能性もあり、経験だけで語るのは怖いことです。

仮にもその道のプロとして勉強法を説く人は、決して経験だけで語るべきではありません。

できるだけ客観的に、理論的な根拠にもとづいて勉強の方法論を組み立てないと多くの人が使って効果の出る方法論にはならないのです。

そのため、客観的かつ理論的な方法論であるプロジェクトマネジメントを受験生には勧めています。

最後にもう一つ補足しておきます。

「経験で語る」ということは「理論的な裏付けなく語る」ということでもあります。

東京大学で准教授をされている中原淳氏の著作に「企業内人材育成入門」(ダイヤモンド社)があります。

この冒頭で、中原氏は
『もはや、人材育成は「理論的な裏づけなしに、誰もが語れるもの」ではない。』と宣言しています。

学習指導も広い意味での人材育成であることを考えると、当然このことは学科教育にも当てはまるのではないでしょうか?

そして同じことが、学習者や受験生が行なう学習プロジェクトにも言えるはずです。

誰かが理論的な裏づけなしに自由勝手に語っている経験的方法論ではなく、裏付けのある理論的な方法論を使い、あなたの試験合格プロジェクトを成功させてください。


質問
上司から言われ、資格試験を受ける必要があります。ただ、どうもやる気が起きません。そんな状態でこのマニュアルは役に立つでしょうか?

回答
よくぶつかる悩みだと思います。

このマニュアルは「大人のための学習」というテーマも念頭に作りました。

少し説明させてください。

小学生や中学生といった子どもに対しては、理屈抜きに「これを勉強しましょう。これを覚えましょう」ということもできます。

しかし、資格試験を狙うような大人が勉強するときにはそう単純にはいきません。

「大人の学習」においては次のような要素を考慮する必要があるからです。

・大人は子どもよりも現実的である
・他人が無理やり勉強させようとしても無理である(自発性が必要)
・(仕事などと)無関係の情報は覚えられない(関連性が必要)
・勉強の結果何が得られるというゴールがはっきりしていないと勉強する気が起きない(目標が必要)
・大人は個々に違う経験を持っているので、「私の経験によればこのやり方がよい」と誰かに言われても真似する気がおきない

こういった要素を考慮しないと大人の学習は成果が出にくいのです。

今まで子供向けに教えていた人が勉強法の本を書くと、どうしても「これを覚えてください」「こうやって点を取ってください」といった話だけになってしまいます。

“大人の学習”と“子供の学習”を混同しているのです。

しかし、大人の学習に必要な要素を考慮すると、実は人生戦略から考えないと効果が上がりません。

実は試験勉強にどっぷり浸かってしまうと、途中で何のために勉強をやっているのか自分でよく分からなくなります。

これが不合格の兆候です。

「何のためにこの勉強をやらないといけないのか?」ということを考える必要があるのです。

そういった目標設定などは当然自分で作らないといけません。

しかし、ちまたの勉強法の本を見ると、著者が受験生だったのが遠い昔であるため自分が目標設定をしてやっていたことなど忘れてしまっているようです。

だから、そういった目標設定や人生戦略の作り方などは書かれていないことが多いのでしょう。

 このマニュアルでは、人生戦略を最も効率的に考え抜くために有効な方法論を紹介し、あなたが自分で戦略を立てられるよう詳しく説明しています。

 人生戦略をしっかり考えた後ではじめて「本気で」勉強できるようになるものです。

そうなれば「あなたはすでに半分合格している」と言っても決して過言ではありません。


質問
プロジェクトマネジメントは本当にすごいものなのでしょうか?   

回答
「すごい」という定義にもよりますが、高い効果があるかどうかという意味であればYESです。

興味がある人のために参考としてプロジェクトマネジメントの歴史や状況について簡単に紹介しましょう

新しいものを創造しようとする人類の歴史の中で、「プロジェクト」は生まれてきました。

古代エジプトのピラミッド建設などは、まさにプロジェクトの代表的な例です。

 そして、文明の発展とともにプロジェクトには期限内での達成が強く求められ、高度化・複雑化した技術に対応しながら確実な成功を追求されるようになりました。

アメリカにおいては、1940年代の初頭に生まれて国家的に推進されたプロジェクトマネジメントによって、科学的かつ体系的なアプローチで、国防プロジェクトやアポロ計画が実施されてきました。

 ケネディ大統領が1961年に演説で「1960年代の末までに人類を月面に着陸させ、地球に無事に生還させる」から始まった「アポロ計画」。

このプロジェクトの成功で現代のプロジェクトマネジメントが確立したと言われます。

*1969年に人類初の月着陸を果たす。

技術者約35万人、参加企業約2万社、ロケットの部品点数300万点以上・・・

プロジェクトマネジメント抜きでは達成しえない複雑で高度なプロジェクトだった。

アメリカでは国防総省(ペンタゴン)でもプロジェクトマネジメントの方法論は非常に重要な役割を果たしてきました。

その後、民間企業レベルでも取り入れられ、急速な発展を遂げてきました。

大型プロジェクトを失敗させるわけにはいかないので、どんなふうにプロジェクトを管理するのが科学的であるか、ということで現代においてはプロジェクトマネジメントを学問としても精緻化してきました。

<学問としてのプロジェクトマネジメント>

プロジェクトマネジメント最先進国のアメリカでは、 名門大学・大学院をはじめ、米国防取得大学 (Defense acquisition university)、 米国陸軍兵站管理大学 (U.S. Army Logistics Management College)などでも教えられています。

最近では小・中学生にもプロジェクトマネジメントを教えている例もあります。

日本でも大学・大学院で講座が設けられるようになりました。

例えば、東京大学大学院 工学経営学部などでもプロジェクトマネジメント単独の講座が設けられています。

中国では国家づくりにプロジェクトマネジメントを活用するべく、100以上の大学にプロジェクトマネジメント学科や学部が設けられています。

国をあげてプロジェクトマネジメント教育に大変力を入れています。

このようにプロジェクトマネジメントはアジアでも広がりを見せています。

また、プロジェクトマネジメントには学会組織があり、プロジェクトマネジメント学者という存在があります。(ちなみに私も日本の学会に所属しています)

 日本ではまだなじみが少ないかもしれませんが、経済学が学問であるのと同じように、プロジェクトマネジメントもひとつの学問として確立しているのです。


質問
ある国家資格(法律系)の勉強をしています。この教材はどのように役に立ちますか?

回答
資格試験にはその試験独特の勉強法という癖は存在するものの、共通する勉強法の方が多いという点を知ることが重要です。

世の中に資格王と呼ばれる人たちがいますが、その人たちはさまざまな資格試験に合格します。

それは彼らが万能の天才だからでしょうか?

そうではなく「万能の方法論」を確立しているからだと思います。

 世の中には様々な会社を経営している経営者の方がおられます。

彼らは時にして全く異業種である破綻した会社の経営建て直しのために代表取締役に就任したりします。

それは彼らが万能の天才だからでしょうか?

そうではなく、「万能の経営論」を確立しているからだと思います。

 その意味でこの教材は、
どんな試験に対しても「万能の勉強法」を提示しています。

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